出会って、惹かれ合って、結婚するふたり。
幸せそうなあの人は、いったいどんな階段を上って結婚にたどり着いたのでしょう。
結婚にはそれぞれのストーリーがあります。
宝物のような、ふたりが歩んできた道のりをそっと覗き見てみましょう。
今回は友也さん(仮名)と香澄さん(仮名)にお話を伺いました。
登山と温泉と恋心
おふたりの出会いはアルバイトがきっかけでした。
ミュージアムショップのオープニングスタッフ仲間として出会ったおふたりは、最初は仲間の一人でした。
第一印象について、「かっこいい人だなあって思いました(笑)。若干一目惚れというか…」と香澄さん。
一方、友也さんは「僕は……本当にスミマセン。仲間の一人って感じでした…」
スタッフ同士はすぐに仲良くなり、色々な場所に遊びに行くのが恒例になりました。
そんな状態で一年が過ぎ、ある日友也さんが香澄さんをふたりきりの富士登山に誘います。
友也さんに特別な心境の変化が、と期待してしまいますが、友也さんは「これまた本当にスミマセンなんですけど」と首を振りました。
「色んな人に断られちゃったんです。彼女は断らなかった唯一の人って感じです(笑)」
誘われた香澄さんは、「私は気になる人に誘われて、初めてのふたりっきりだったのですごく緊張して当日を迎えたんですけどね(笑)」
そんな友也さんの気持ちが動くのは富士登山の帰りのことでした。
下山した後、疲れていたおふたりは途中の立ち寄り湯の温泉に行きました。
20分後に出ようと約束してそれぞれ温泉へ。
しかし、気持ちがよくて和んでしまった香澄さんが気づいたときには一時間が経ってしまっていました。
「いつもの僕だったら帰ってたと思います」友也さんは人を待つことがとても苦手だそう。
「でもなぜか不快感が一切無く普通に待ってたんですよ。温泉から出て来た彼女を見た時『この子のことは何時間でも待てるなあ』って気づいてしまって。その瞬間、初めて気持ちが動きました」
告白リベンジ
デートを重ねるうちすっかり香澄さんを好きになった友也さんは、『大晦日に除夜の鐘を聞きながら告白しよう!』と決意します。
当日、除夜の鐘が鳴りはじめて緊張が高まってきた友也さん。
「『よし、今だ!』って思った時に、隣の人の話し声が聞こえて来て…」
『この鐘聞きながら、年が明けた瞬間に告白するとかいう人がいたらさ〜。ちょっと引くよね〜』
タイミングの悪い話し声のせいで、この日は告白ができませんでした。
春からの新人研修で京都に行くことが決まっていた香澄さんは、友也さんとの恋は叶わないのだろうと少し諦めていたそう。
しかし、2月、友也さんは六本木の景色が綺麗な場所で香澄さんに気持ちを伝え、おふたりの遠距離恋愛が始まりました。
あの日の再現プロポーズ
半年の遠距離恋愛を経て仲を深め、結婚を考えるようになった友也さんが練ったプロポーズのプランは、思い出の富士登山と同じシチュエーションでのものでした。
「彼女を富士山に誘って一緒にご来光を見て、あの頃と同じ立ち寄り湯に行って、彼女を待っていたベンチで…ね?」と香澄さんを見た友也さんに、香澄さんは「うん。でも、入ったのは違う温泉で、プロポーズはその後の車の中で…」
友也さんは前に入った温泉の場所が分からず、またベンチでのプロポーズは雰囲気が良くなかったことからできなかったそう。
事実を素直に言ってしまう香澄さんに、友也さんは、「いや、そこはもう一緒でいいじゃん!あの頃と全部一緒って設定にしようよ」
しかし、香澄さんは「だって違うもん」と冷静な返事で一同を笑わせてくれました。
「でも、ちゃんと『結婚しよう』とはっきりとプロポーズしてくれました。すごく嬉しかったです」
穏やかな幸せ
最後に、どんな家庭を築いていきたいかを伺いました。
「孫を抱きたいんですよ。今のような感じで隣に彼女がいて、かわいい孫を抱いているって想像してしまうんですよね。それがもう、あ〜、いいな〜って(笑)」と友也さん。
「毎日こんな時間を過ごせたらいいなと思います。何年先もずっと今みたいに過ごせたらいいですね」と香澄さん。
おふたりの穏やかな幸せが伝わってきました。
おふたりの話を伺って
会話のテンポがとても小気味よく、相性の良さが窺える友也さんと香澄さん。
子どもを飛び越えて孫の想像をしてしまうなんて、よほど一緒に居て居心地の良い関係なんですね。
今の幸せの延長線上に、友也さんの想像する穏やかな未来があるはずです。
※この記事は、はっぴ本で行ったインタビュー取材を再構成・編集したものです。
【取材企画】HAPPYなラブストーリー vol.01 〜いつの間にか、ふたりで〜
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【取材企画】HAPPYなラブストーリー vol.03 〜素でいられる幸せ〜
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