出会って、惹かれ合って、結婚するふたり。
幸せそうなあの人は、いったいどんな階段を上って結婚にたどり着いたのでしょう。
結婚にはそれぞれのストーリーがあります。
宝物のような、ふたりが歩んできた道のりをそっと覗き見てみましょう。
今回は幸太さん(仮名)、愛実さん(仮名)にお話を伺いました。
増していた期待感
おふたりは愛実さんの友人、サヤカさん(仮名)の紹介で出会いました。
幸太さんと幸太さんの会社の人、サヤカさんの三人で飲み会をした後、サユリさんは愛実さんに「イイ人いたよ!」と連絡をしてきたそう。
愛実さんのために相手を探してくれていたサヤカさんの審査に、幸太さんは見事合格したのです。
後日、サヤカさんから幸太さんに「紹介したい人がいる」と電話があり、愛実さんのことを聞くうち、幸太さんは愛実さんに会いたいと思うように。
以前の飲み会のメンバーに愛実さんを合わせた4人で飲み会に行くことになり、そこでふたりは出会いました。
事前に愛実さんの写真を見せてもらっていた幸太さんは、期待を膨らましていました。
「写真を見て、『やべー…かわいい』と。でも写真うつりが良いだけかもしれないから 『期待はするな期待はするな』と心に言い聞かせつつ(笑)」
膨らませた期待は見事に的中。
ふたりは二軒目に行ったカラオケ屋で電話番号を交換し、おふたりは毎週のように食事に行ったり遊びに行ったり、距離を縮めていきました。
まさかの告白の返事
すぐに仲良くなったおふたりは、すぐにお付き合いに発展、と思いきや、進展のないまま一ヶ月が経ってしまいます。
「僕の中で彼女の存在は大きくなってたんですが…」
実は、友人から「お前は惚れっぽいから、落ち着け」と言われた幸太さんは、愛実さんへの告白を我慢していました。
一方、進展のないまま仲良くなっていくことに、愛実さんはじれったさを感じていました。
「告白してくれたらいいのに、彼は私に興味ないのかなって」
一ヶ月後、告白の決意をした幸太さん。出かけたのは漫画喫茶でした。
しかし告白のタイミングをつかめないまま漫画を読みふけってしまい、気づくと明け方。
幸太さんは愛実さんを家まで送って行った玄関先で、突然「付き合ってください!」と告白したのだそう。
思わぬタイミングの告白に愛実さんは思わず言ってしまいました。
『え!告白今!?タイミング悪っ!』と。
そして、「考えとく!じゃーねバイバイ!」と言って帰ってしまう愛実さん。
この時、幸太さんは、フラれたんだと思ったそう。
でも愛実さんは断ったつもりではありませんでした。
「私自身が恋愛にのめり込むタイプだからすぐ返事するのに抵抗があったんです。勢いじゃなくゆっくり考える時間が欲しかったというか」
三日後、愛実さんは電話で幸太さんに言いました。
「幸ちゃんの彼女にしてください」
こうしておふたりの交際はスタートしました。
寝起きとプロポーズ
付き合って1年が経ち、愛実さんの誕生日にプロポーズをしようと決意した幸太さん。
当日は一緒に買い出しに行き、幸太さんが鍋を作りました。
仕事終わりで疲れていた愛実さんは、鍋を食べてから眠ってしまいますが、幸太さんは内心、『しめしめ』。
ロウソクに火を点けたケーキをテーブルに運び、花束を用意し、プロポーズの準備に取りかかりました。
そして眠っている愛実さんを起こし、火を消すよう促すと…。
寝ぼけ眼の愛実さんはロウソクの火を吹き消して、幸太さんのお祝いの言葉にお礼を言い、なんとまた眠ってしまったそう。
しかし、プロポーズの決意をしている幸太さんは、このままで終わらせまいと必死でした。すかさず花束を出して「結婚してください!」とプロポーズ。
寝ぼけていた愛実さんは起き上がり、「へ!?あ、うん。いーよー」
告白の時と同じ、なんだかちょっときまらないプロポーズとなりました。
言いたいことが言える関係
ふたりの共通して良くないところは、「お互い『こう』と思ったら自分の考えを曲げないところ」と幸太さん。
しかし、それは良いところとも言えそうです。
「彼と一緒にいると素の自分でいられるんです」と愛実さん。
「ケンカになるけど言いたいことが言えて、そういうのが良いのかもしれないです」
10年後もお互いの些細な一言を拾って言い合いをしているのだろう、と笑う幸太さん。
「会話があるってことで、良いことだと思ってます、僕は!」
おふたりの話を伺って
ユーモアたっぷりの掛け合いが楽しい幸太さんと愛実さん。
これから笑顔の絶えない明るい家庭を築かれるのでしょう。
お互いといると素でいられると言うおふたりは、ケンカもするけれどそのぶんだけお互いを理解し合っているのですね。
※この記事は、はっぴ本で行ったインタビュー取材を再構成・編集したものです。