はっぴ本誕生秘話 第7話


〜今日も明日も明後日も〜



もう悩む時間は私にはありませんでした。

「自分を評価してくれる人がいる。」
「その人達の期待を裏切る理由は何一つ無い。」
「評価してくださる人達に全てを捧げる。」

と心に決め、
声をかけてくださった支配人さんに
勇気を出して電話をしました。

「待ってましたよ!」

と弾んだ声で支配人さん。

細かなところまでは覚えていませんが、私の電話をすごく喜んで取ってくださったのは覚えています。

そして!

「ブライダルフェアに出てみませんか?」とお誘いを頂き、ブライダルフェア出展の道が開けました。

しかし!

出展したからと言って受注がある訳ではなく、売れるか売れないかは分からない。
状況は変わらず危機的状況。

「ブライダルフェアで受注がなければもう辞めよう。」

そんな状況でブライダルフェア当日を迎えました。

来館組数は30組ほどいらっしゃいましたが、お話を聞いて頂けたのはわずか「5組」でした。
それもそのはず、まともなカタログも無かったのです。

結婚式で使われる大きな丸いテーブルにあるのは、はっぴ本がたったの2冊。
どう贔屓目に見ても「最低な展示」です。

むしろ「5組」話を聞いてくださったのは
奇跡に近かったのかも知れません。

「・・・もうだめだ」

もちろん成約が取れる訳もなく、失意の中家に帰りました。
就職先を探そうと机に座り、パソコンを立ち上げると珍しくメールが来ていました。

一通のメールが。

そのメールにはこう書いてありました。

先ほどはありがとうございました。
はっぴ本で私達の求めていた結婚式が叶いそうです!
テンションあがって思わずメールしちゃいました。
よろしくお願いします!!

説明を聞いてくださった5組の内の1組の「新婦様」からのメールでした。
こみ上げるものを抑えられず、嗚咽するほど泣きました。

そう、本当の意味での「はっぴ本」が誕生したんです。

・・・あれからもう10年以上

たった1冊から始まった「はっぴ本」も、今では1,100組以上のカップルの笑顔のお手伝いをし、約88,000人以上の出席者に気持ちを届けてきました。

私はあのときの想いを忘れずに、おふたりの「気持ち」をゲストの皆さんへ今も変わらずに届け続けています。

今日も明日も明後日も。

最後までお読み頂きありがとうございました。